サーキュラーエコノミーとは
従来型の「資源」→「生産」→「消費」→「廃棄」という流れのリニアエコノミーではなく、「廃棄」をなくし資源を循環させる循環型経済。
またサーキュラーエコノミーは、リユース(再利用)リデュース(削減)リサイクル(資源として再活用)などの3Rの考えからではなく、これらリユースエコノミーはリニアエコノミーの延長線上にあるものと考えられています。
リニアエコノミーやリユースエコノミーは、今日まで社会を物質的に豊かにしてきましたが、大量生産・大量消費・大量廃棄の経済システムは地球環境に大きな負担となっています。リニアエコノミーは廃棄物に配慮がされておらず、リユースエコノミーも廃棄物がリニアエコノミーよりかは減るだけです。
それに対し、サーキュラーエコノミーは事業の設計段階から廃棄物が出ないことを前提に組み立てられます。
以下はオランダ政府のサーキュラーエコノミーの概念図です。
画像:オランダ政府 より
サーキュラーエコノミーの必要性
2050年、世界の人口は100億人に達すると予測されており、現在途上国も経済成長し豊かな生活を送る人の数も増え、様々な資源が不足する恐れがあり、今までのようなリニアエコノミーのような大量生産大量消費大量廃棄をしていては、ますます資源は枯渇するスピードを早めてしまいます。
また、資源の大量採取や大量廃棄によって地球環境が大きく変わっています。気候変動や海洋プラスチックゴミなどの環境問題を引き起こしており、一刻の猶予もない状況になっています。
このような将来を危惧し、資源を循環させ廃棄物を出さないサーキュラーエコノミーが注目され期待されています。
サーキュラーエコノミーの原則
サーキュラーエコノミーを推進する国際組織のエレン・マッカーサー財団によると3つの原則があります。
1.廃棄物と汚染を出さない設計(サーキュラーデザイン)
2.製品や材料を使用しつづける
3.自然のシステムを再生する
サーキュラーエコノミー5つのビジネスモデル
参照:アクセンチュア より
再生型サプライ
繰り返し再生し続ける100%再生/リサイクルが可能な、あるいは生物分解が可能な原材料を用いる。
回収とリサイクル
これまで廃棄物と見なされてきたあらゆるものを、他の用途に活用することを前提とした生産/消費システムを構築する。
製品寿命の延長
製品を回収し保守と改良することで、寿命を延長し新たな価値を付与する。
シェアリング・プラットフォーム
Airbnb(エアビーアンドビー)やLyft(リフト)のようなビジネス・モデル。使用していない製品の貸し借り、共有、交換によって、より効率的な製品/サービスの利用を可能にする。
サービスとしての製品(Product as a Service)
製品/サービスを利用した分だけ支払うモデル。 どれだけの量を販売するかよりも、顧客への製品/サービスの提供がもたらす成果を重視する。
サーキュラーエコノミーの事例
LOOP
LOOPはアメリカのベンチャー企業テラサイクル社が消耗剤の専用容器を回収・洗浄・充填・出荷を行う事業で、すでにアメリカ・カナダ・フランス・イギリスで展開しています。
日本国内ではイオンが首都圏で参画し、味の素・キッコーマン・P&G・大塚製薬・ユニチャームなどの食品や日用品などのメーカーがパートナーとなっています。
すでに事業展開しているアメリカでは、利便性のほか容器のデザイン性も高評価で、頑張らなくてもエコな生活が送れるところも評価が良い。
MUD jeans(マッド・ジーンズ)
画像:MUD jeans より
2012年オランダで創業したサーキュラーエコノミージーンズメーカー。サブスクリプションのジーンズで登録時に日本円で約3500円を支払い、毎月800円を支払うことでジーンズがリースされる。1年経ったら返却して、新しいジーンズに交換してもらえる。そのまま買取もできる。古くなって回収されたジーンズは裁断し新しく製造しなおすサーキュラーな仕組み。現在リサイクルされるジーンズの割合は生地の約40%で残りはオーガニックコットンを使用している。将来的には100%リサイクルされた生地で新しく生まれ変わる予定。
サーキュラーエコノミーの機関団体など
エレン・マッカーサー財団
一般社団法人サーキュラーエコノミージャパン